英語教育B:小学校英語

                  【問B1】 
 英語教育改革として小学校中学年から導入され、高学年から教科化されているが、そもそも、第2期教育振興基本計画での「英検3級合格率50%」という目標も未達成で、従来の英語教育では不十分だと考えられるのに、それを見直すことなく、安易に小学校まで下すことに効果があるとは思えない。
 そこで伺うが、小学校での英語教育教科化が必要との判断は、これまでの外国語活動のどのような成果と課題の上に決定されたのか。

 具体的な根拠として挙げられるのは、精々
 「審議会等における有識者の意見を踏まえた結果だ」
ということだろうから、次を確認しておく。

                  【問B2】 
 有識者による審議結果・判断だというが、それらはどのような根拠に基づいた審議・判断か。これまでの英語教育自体が、有識者による審議・判断に基づいたものであったはずだが、それらが効果を上げずにいるために、「中学校から大学まで10年間も教育を受けたのに挨拶すら満足にできないでいる」といった批判が絶えないのではないか。これをどう理解しているのか。
 そこで繰り返して尋ねるが、有識者及び審議会では小学校での英語教科化の前提として、現行の英語教育に対してどういう検証・評価をしているのか。

 繰り返し述べているように、教育充実・強化の必要性を述べる一方で、その具体的・客観的な根拠は示さずにいるのが常で、本問に対しても、従前通り、
  「国(文科省)として特に具体的な検証は実施していないが、審議会において専門家である委
 員が、それぞれの立場で行った研究があり、その結果を踏まえた議論に基づく判断だ」
と答えるだろう。

 相変わらず、曖昧な内容であるので、これに対しては、
  「専門家による研究には小学生を対象とした研究が含まれているのか。それはどの程度の規
 模で、どのような内容の研究で、どのような結果が得られたのか」
と確認すれば良い。
 これには
  「専門家による個別の研究内容に関する事項であるので、それに直接関わっていないものが曖
 昧なことを申し上げるのは差し控えたい」
と述べるのだろう。これは明らかにできない研究内容・結果に基づいて政策が決定されていると述べているのに等しく、看過できないので、さらに追及する必要はあるが、水掛け論に終わることを危惧し、別の論点も考慮する。

                 【問B3】 
 日本では小学校低学年から中1にかけて学年が上がるにつれて、児童の自尊心が低下する傾向にあるのに、(これまで成果の上がっていない)英語を小学生に導入することで自信をつけるより自尊心の低下に拍車をかける恐れはないのか?その根拠は何か。
 また、中学年(34年生)からは社会・理科が始まることに加えて、これからは英語活動も加わることによる児童の心身への影響が懸念されるが、その点は調査・確認したのか。

 このような懸念を表明する質疑は国のみなら自治体の議会でも再三行われてきた。
 その都度、回答は
  「大丈夫だ」「懸念には及ばない」「問題がないように配慮する」
と言った程度の内容のもので済まされていた。
 そこで、今後はそれで満足?せず、しっかりと回答の根拠を確認する。
 果たして、本問については
  「小学校における外国語教育等はまだ導入されてから日が浅いため、まだ効果や影響が顕著に
 現れるまでに至っていないが、ご指摘の事態が生じないように配慮していきたい。」
と言った答で済まそうとするだろう。

 そこで、次を問う。 

                 【問B4】
 現行学習指導要領の下で、小学校でも外国語教育が(2020年から)必修化されてから日が浅いというが、移行期間を含め5年が経過している中でその効果を把握したのか。
 今後、小学校での外国語教育の成果は確認するつもりはあるのか。それはいつか。

 これを問うことで、他の政策同様、小学校での外国語教育も「必要性」を訴えるだけで、それに効果はあるのか、それは事前の想定に比してどの程度のものか等は一切明らかでなく、今後もその予定はないことが明らかになる。

 このように一連の質疑で、小学校での外国語教育も他の政策と同様に「やらないより、やった方が良い」という認識で実施されていることが分かる。
 これを踏まえて、最後に次を述べよう。

                【問B5】
 一連の質疑で、早期導入の目的・必要性も効果も曖昧であることが判明した。
 これらを踏まえれば、早期導入は国際交流が盛んになる社会に向けた語学能力向上を目指すための手段とするのではなく、そのような社会で求められる異文化・多様性理解を早くから進める手段とすることこそ目的とすべきではないのか。
 こうした観点からの見直しをすべきと思うが如何。

 これは【問A6】として扱うこともできよう。

 いずれにしろ、語学、特に会話・コミュニケーション能力向上のための手段として導入されている小学校英語については、その必要性も効果も不明であることを踏まえた対応・見直しが求められねばならない。
 鳴り物入りで導入した教育を廃止することには抵抗があるだろう。そこで、枠組みは残しつつ、その方向性を転換することとしてはどうかと提案するのだが、果たして…。

 頑なな対応を続けることで、問B3での懸念が顕在化することにならないことを祈るばかりだ。

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