「踏み間違い」事故を無くすために

 コロナ禍後の列車内では多くの乗客が隣との間隔をあけながら着席しようとしているようです。その中で大きく脚を広げている者、足幅は普通でも膝が開いている者の姿は目につきます。これらの人は、隣に着席する人がいないようにしたいとか、他の人より広い空間を占有することで優越感を感じたいという理由があって、そうしているわけではないでしょう。無意識で脚が広がっているのです。その証拠に、隣に座ろうとする人があると、多くが広げた脚を閉じます。このような人は年齢層に関係なく幅広く存在します。

 これを見て「なるほど」と納得した事があります。即ち、「踏み間違い」事故の原因についてです。

 パーキング前後の事故は度々発生しており、都度、それらの様々な状況が報道されていますが、原因として多くの人が共通して「アクセルとブレーキを踏み間違えた」ことを挙げています。それを聞くたびに、並んでいるとは言え十分に離れており、足の運び方も力の入れ方も違う二つのペダルを、なぜ誰もが踏み間違えるのだろうかとずっと疑問でした。

 しかし、脚・膝が開いているのが無意識の、普段の状態で、その姿勢から突然、慌てて脚に力を入れたなら、開いた膝の方向に脚が伸びるのは当然です。結果、自分ではブレーキのつもりでいながら、実際にはその外側にあるアクセルを踏み込むことになるのが「踏み間違い」の原因なのだろう、と合点したわけです。その意味で言えば、膝が閉じている人は、咄嗟の場合でも踏み込むのはブレーキなので問題は生じないということになります。

 しかも、調べてみると、座っているときに膝を合わせるのは太もも内側の筋肉(内転筋)の働きによるといいます。その筋力が弱いと、膝が開くようになるらしいのです。加齢でそれが衰えるのは避けようがありません。だから、踏み間違い事故を起こすのは高齢者に多いのでしょう。
しかし、筋力が要因であるならば年齢とは関係ないことにもなります。むしろ、筋力の衰えを自覚せず「まだ自分はそこまで老いていないので関係ない」と思っている人は、確実に事故を起こす予備軍になっていると言えるし、そういう状態にある人が多いのは列車内の状況を見ても明らかです。

 であれば、今後は、高齢者が免許更新する際に認知度の検査を行うのに加えて、とっさの反射検査をしたり、例えば写真撮影で着席した際(または受付後、待合室で着席して順番待ちをしている際)に、両膝の間隔が相当に開いている者については(本人同意の下で)下半身の筋力を測定することとし、その数値が一定水準以下の場合は、運転に注意するよう指導するようにしてはどうでしょう。これだけでも踏み間違い事故は大きく軽減するのではないでしょうか。

 もっとも踏み間違いは緊急時に、慌てて、無意識で行われることを踏まえると、平常時に注意しているだけでは不十分です。そこで、任意の筋力測定に加えて、(映像を見せる途中で)急にブレーキを踏ませる試験等を行い、踏み間違いの可能性があることを本人に身をもって知ってもらうことも必要ではないでしょうか。加えて、いざというときに備えるために、膝間隔を一定の範囲に保つ運転補助器具(ベルトのようなもの)を着けることを奨励・義務化することも有効で、考慮に値するかもしれません。

 いずれにしろ、踏み間違いは、咄嗟の、無意識での行動であり、筋力の衰えがもたらす結果であるので、今後、高齢者ドライバーが一層増加するに伴って、この危険性がある者が増えるので関連事故が増加することが懸念されます。
 これを踏まえれば、事故防止に向けた効果的な対応が必要であることは他言を要しません。上述した事項は効果的だと信じていますが、素人の思い付きに過ぎないことも事実です。専門家による早急な検討・措置を望む次第です。その際に、本稿が少しでも役に立つなら幸甚です。

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